クラオくん電験3種のこと調べてたら「やめとけ」ばっかり出てくるんだよー。始めないほうがいいのかな?



その気持ち、よく分かるよ。実はね、8年前に私も同じことを考えていたんだ。
電験3種は、合格まで500〜1000時間が必要と言われる資格です。
検索すれば「やめとけ」「意味ない」「役に立たない」という言葉が並びます。それを見て手が止まっている人は、たぶん少なくありません。
私も同じで、会社が主催する勉強会に参加しなかったし、試験にも行きませんでした。
「電験3種を取っても意味がない」と、当時の私が判断したからです。
この記事では、始めるか続けるかで迷っているあなたに向けて、「やめとけ」の5つの理由がどこまで本当かを一度やめた側の人間として書きます。
ちなみに私クラゲは、その後とあるキッカケで受験を決意し、独学3年・約600時間かけて電験3種に合格しました。つまり一度電験3種から離れ、科目合格をすべて失ってから戻ってきた人間です。
- 「やめとけ」と言われる5つの理由が、どこまで本当か
- 一度やめた人間が、なぜ戻って3年続けられたのか
- やめてもいい人と、続けたほうがいい人の見分け方
先に結論を言うと、「やめとけ」の理由の多くは当たっています。私の場合、短期で給料は上がる予定はありませんでした。
それでも私は続けました。理由は根性ではありません。目的(行きたい部署)があったからです。
私にとって電験3種は、給料を上げる資格ではなく、行きたい場所へ動くための資格でした。
「電験3種は意味がない」。(私も同じことを考えていました)
会社は勉強会を開いてくれたが、私は参加しませんでした
私が電験3種の2科目に合格したのは、高校3年のときです。
毎朝1.5時間の補習を半年続けて、なんとか電力と法規に受かりました。当時は就職試験を兼ねた勉強だったため、続けられたのだと思います。
高校を卒業して就職すると、生活が変わりました。
使えるお金が増えて、いろいろな遊びが面白くなった。電験のことは、頭の中から静かに消えていきました。
そんな中、会社が主催する電験3種の勉強会がありましたがほとんど参加せず、試験も受験しませんでした。
サボったというより、行く理由が自分の中に無かった、という感覚に近いです。
「電験3種を取っても意味がない」。当時の私は、本気でそう考えていました。
気づいたときには、科目合格は消えていました
電験3種には科目合格制度があります。合格した科目は、一定期間だけ免除されます。
裏を返せば、その期間を過ぎると消えます。
高校3年の毎朝1.5時間、半年分の努力の結晶である2科目の科目合格がリセットしました。
ここで言いたいのは「もったいないことをした」という反省ではありません。
科目合格は、決意して手放すものではない。気づいたら消えているものです。
「電験3種はやめとけ」と言われる5つの理由
理由①|勉強時間が長い → 事実です。私は3年かかりました
一般的に電験3種合格までに必要な勉強時間は、500〜1000時間と言われます。私の場合は、約600時間でした。
平日1〜2時間、土日はどちらか2時間程度。それを3年続けています。
短期で終わる資格ではありません。やりたいことを犠牲にして、勉強に注ぐ必要があります。
- 平日1〜2時間 土日はどちらか2時間程度
- 2015年 電力・法規 / 2016年 理論 / 2017年 機械
理由②|合格率が低い → 事実です。ただし1年で4科目そろえる必要はありません
合格率が低いのも事実です。


令和7年度の上期試験では、受験者24,766人に対して4科目合格者が3,201人。合格率は12.9%でした。(一般財団法人 電気技術者試験センター発表。2026年9月1日確認)
10人受けて、1人か2人です。数字だけ見れば、たしかに厳しい。
ただ、この数字の使われ方には、抜けている前提があります。
電験3種には科目合格制度があり、1年で4科目そろえる必要はありません。
同じ試験で、4科目合格者を除いた科目合格者が6,859人います。科目合格率は27.7%でした。(同上)
12.9%と27.7%を足すと、40.6%になります。(※延べ人数で換算)
つまり受験者の4割前後は、その回で「何か」を持ち帰っています。
私も1年では終わっていません。2015年に電力と法規、2016年に理論、2017年に機械。3年かけて4科目を積み上げました。
合格率の低さは「1回で全部そろえるのが難しい」という意味であって、「あなたには無理だ」という意味ではない。
理由③|取っても給料は上がらない → 短期については本当。中長期では上がる。
私の勤め先には資格手当がありませんでした。合格してすぐに給料が上がった実感も、ありませんでした。
ただし、これは私の会社の場合であって、会社によっては資格手当があるところもあります。
加えて中長期で見れば、社内での評価が変わって昇進につながる道もあります。
また、転職市場では「電験3種保有」は評価されており、ハイクラスでは年収1000万もあります。
〜取得後に何がどう変わったのかは、こちらの記事を参考にしてみてください〜


理由④|実務経験がないと選任されない → 制度を押さえると、少し話が変わります
「資格を取っても、実務経験がないと選任されないから意味がない」という声もあります。
①まず、免状そのものの話から。
試験に合格すれば、実務経験がなくても免状は交付されます。
実務経験が必要になるのは、試験ではなく認定校の卒業などで免状を取る「認定」のルートのほうです。
②次に、主任技術者選任の話。
事業場の電気主任技術者に選任されるための法律上の条件は、「主任技術者免状の交付を受けていること」です。(電気事業法 第43条第1項)
条文に「実務経験◯年」とは書かれていません。
では、なぜ「実務経験がないと選任されない」と言われるのか。理由は2つあると思います。
ひとつは、実務の話です。法律が許していても、未経験の人にいきなり保安の監督を任せる会社は多くありません。ここは、そのとおりだと思います。
もうひとつは、独立の話です。会社に属さず、外部委託承認制度で保安管理業務を受託する場合には、実務経験が必要になります。
ここからは、現場から見た話をしておきます。
実務経験が優遇されるのは事実です。求人でも、実務経験のある人が有利になります。
ただ、電気主任技術者は資格の保有そのものが選任の条件です。
だから、資格を取ることも実務経験と同じくらい重要になる。
資格を持たない人が、現場の作業員として採用されるケースはあります。ただしその場合、選任はされません。独立の道も開けません。
待遇の面では、頭打ちになりやすいということです。
では、どうするのが筋がいいか。私はこの順番だと思っています。
- 作業員として現場に入り、実務経験と知識をつける
- 働きながら電験3種を受験して、合格する
- より良い待遇の会社へ転職する。または社内で昇進する
実務経験か資格かの、二択ではありません。
順番に、両方取りにいく。これがいちばん現実的だと思います。
理由⑤|文系・数学が苦手だときつい → 半分は本当です
半分は本当です。計算問題から逃げられる試験ではありません。
ただ、大学レベルの数学が必要かというと、そうではない。
私は工業高校の出身で、大学レベルの数学ができたわけではありません。機械では2年続けて落ちています。40点台 50点台 と落ちて、3年目にようやく60点ギリギリでした。
数学が得意だから受かったのではなく、資格取得に向け要点を抑えた勉強をしたからから受かったというのが実感です。
| 言われていること | 私の実際 | 本当かどうか |
|---|---|---|
| 勉強時間が長い | 約600時間・3年 | 本当 |
| 合格率が低い | 1年では終わらなかった | 本当(ただし科目合格制度がある) |
| 給料が上がらない | 資格手当なし。すぐには上がらなかった | 短期は本当/中長期は別記事へ |
| 実務経験がないと選任されない | 試験合格なら免状に実務経験は不要 | 法律上は誤り(ただし実務では優遇される。両方取りにいくのが現実的) |
| 数学が苦手だときつい | 機械に2年落ちた | 半分本当 |
- 「やめとけ」の理由は、その多くが事実
- ただし「1年で4科目そろえる前提」と「短期の給料だけを見る前提」が隠れている
- 前提を外して読み直すと、当てはまる人と当てはまらない人に分かれる
それでも私が戻って3年続けられた理由



でもさ、一度やめた人が戻るって、よっぽど強い決意があったんでしょ?



それがね。きっかけは、めちゃくちゃかっこ悪いんだ。
きっかけ|上司のとある一言
社会人になってから、職場でこう言われました。
「お前電験3種も持ってないのか。あれは簡単に取れるぞ。3種くらい取れ」
当時苦手だった上司から、突然言われた一言。
誰かが親身に励ましてくれたわけでも、志を持って再挑戦したわけでもない。ただ、悔しかった。
正直に言うと、いま思い出しても少しムッとします。
でも、結果的に私はその一言で火がつきました。
私が勉強を継続できた理由
ただ、悔しさだけで3年は続きません。
私が本気で受験を決めたとき、もう一つ理由がありました。
仕事でやりたい業務があり、電験3種があればその部署に異動させてもらえると思ったからです。
高校を卒業した頃の私には、理由が無かったのです。
行きたい場所が無いまま勉強しても、続かないのは当たり前だったのだと思います。
3年続いたのは、根性ではなく「行きたい場所」があったからです
火種と燃料は、別のものだ。
上司の一言は火種です。着火はしますが、それだけでは3年は燃えません。
3年燃え続けたのは、行きたい部署という燃料があったからです。
だから、いま迷っている人に私が聞きたいのは「取るべきかどうか」ではありません。
この資格で、あなたはどこへ行きたいですか。
電験3種受験でかかったお金の話
お金の話もしておきます。
私が買ったのは、参考書と過去問集だけです。金額は1〜2万円ほどだったと記憶しています。
このほかに受験料がかかります。
令和8年度の第三種は、インターネット申込みで7,700円、郵送の書面申込みで8,100円です。
〜お金をかけずに揃う教材は、こちらの記事にまとめています〜


やめてもいい人・続けたほうがいい人|3つの質問で判定できます
ここまで読んで「自分はどうすればいいのか」と思っている人へ。
3つの質問を置きます。


- ① この資格で行きたい場所がありますか
- ② 科目合格は、あと何回分残っていますか
- ③ やめるとしたら、何を取り戻したいですか
質問①|この資格で行きたい場所がありますか
いちばん大事な質問です。
行きたい部署、やりたい仕事、変えたい働き方。何でも構いません。
1行で書けるなら、続ける価値があります。書けないなら、いまは無理に続けなくていい。
書けないまま走っても、私と同じところで止まります。
質問②|科目合格は、あと何回分残っていますか
やめる前に、これだけは数えてください。
科目合格には有効な回数があります。(※連続5回・受験申込時に免除申請。2026-08-24 公式確認済み)
私は数えていませんでした。だから消えました。
数えたうえでやめるのと、数えずに離れるのは、まったく別の話です。
〜自己採点で届かなかった方は、点数から次の一手を決めるこちらの記事もどうぞ〜
質問③|やめるとしたら、何を取り戻したいですか
勉強時間を家族との時間に戻したい。趣味に戻したい。別の資格に振り向けたい。
その答えがはっきりしているなら、やめる判断は正しいと思います。
「なんとなくしんどいから」だけなら、それは判断ではなく疲れです。少し休むほうが先かもしれません。
やめるなら「正しいやめ方」があります
やめること自体を止めるつもりはありません。
ただ、私と同じ失い方はしないでほしい。
- 科目合格の残り回数を確認する
- いつまでなら戻れるかを、カレンダーに書く
- そのうえで離れる
これをやっておけば、戻りたくなったときに戻れます。
判断は今日しなくていい|下期の申込は11月9日から11月26日です
令和8年度下期の申込期間は、2026年11月9日から11月26日です。(一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度電気主任技術者試験の実施日程等のご案内」より。2026年9月1日確認)
ちなみに下期の試験は、CBT方式が2027年2月4日から2月28日、筆記方式が2027年3月21日です。(同上)
つまり、今日から2ヶ月以上、決めなくていい時間があります。
いま出す結論は、たいてい気持ちの結論です。
自己採点の直後や、発表の直後は、いちばん判断材料が少ないタイミングでもあります。
まとめ|「電験3種はやめとけ」への、私の答え



なんとなく分かった気がする!でも、今日から何をすればいいの?



1つだけ。しかも、紙とペンがあれば5分で終わるよ。
改めて、この記事の要点です。
- 「やめとけ」の理由は、多くが当たっている — 勉強時間は長く、合格率は低く、短期で給料は上がらない
- 短期と中長期は別の話 — 私は資格手当が無く、すぐには上がらなかった。中長期の収入の話は別記事へ
- やめた理由は根性不足ではなく、目的不足 — 行きたい場所が無いまま1000時間は走れない
- 続いた理由は、行きたい部署があったから — 火種は上司の一言、燃料は目的
- やめるなら、残り回数を数えてから — 数えずに離れると、私のように消える
電験3種は、給料を上げる資格ではなく、行きたい場所へ動くための資格でした。
私は一度やめました。科目合格も失いました。それでも戻って、合格しています。
ただ、あなたが同じ失い方をする必要はありません。
今日やること
紙でもスマホのメモでも構いません。
「この資格で、自分はどこへ行きたいか」を1行だけ書いてみてください。
「〇〇の部署に行きたい」「夜勤のない働き方にしたい」。それくらいの粗さで大丈夫です。
書けたなら、続ける理由はもうあなたの中にあります。
書けなかったなら、それは今日の答えです。3ヶ月後にもう一度書いてみてください。そのとき書けるようになっていることも、普通にあります。
心から応援しています。
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